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【論文紹介】感謝を伝えるスキルを身につける効果 -感謝表出スキルと孤独感

みなさんは「ソーシャルスキル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ソーシャルスキルとは、個人が円滑な対人関係を維持するために、相手に対して効果的に反応する際に用いる行動のスキルを指します。もともと社会心理学等の分野における用語ですが、コミュニケーション能力強化や子どもの教育といった観点において、一般的にも用いられています。

例えば、職場の同僚と会話をしている時、その場の雰囲気や相手の様子を見て『ねぎらいの言葉をかけよう』『今は相手の話をじっくり聞いてあげよう』などの判断をしています。そういった行動のレパートリーが、ソーシャルスキルと呼ばれるものの一部ということです。

※本記事は、スマホアプリ NEC Thanks Card に掲載した内容を転載しています。2024年5月から6月にかけて、アプリ用に執筆した記事で毎日更新しています。

感謝表出スキルとは

ソーシャルスキルを念頭に置いた感謝の概念として「感謝表出スキル」というものが提唱されています。

感謝表出スキルとは、他者から支援や援助を受けたと認知したことによって生じた感情を、状況に応じて、相手にとって効果的に表すために用いる言語的・非言語的な行動のレパートリーと定義されています。

ポジティブな感情は対人関係に恩恵をもたらすということが分かっており、感謝の気持ちにも同様の効果が考えられます。しかし、感謝には「する人・される人」が存在するため、感謝表出スキルを用いることが、対人関係を円滑にするためのカギとなりえます。

感謝表出スキルの実行が孤独感を低減させる

酒井・相川 (2020) では、日本の大学生を対象に調査を実施し、感謝表出スキルの実行がサポートの知覚や孤独感にどう影響を与えるか検証しました。

調査の結果、感謝を伝える行動を実行することが、他者がサポートしてくれたことへの認知を介して、孤独感を低減させることが示唆されました。

図. 感謝表出スキルと孤独感の媒介分析
酒井・相川 (2020) をもとに筆者作成

また、この感謝表出スキルは、トレーニングで高められることも報告されています。

感謝表出スキルをいつ、どこで、誰に対して実践したのかを記録することやさまざまな感謝場面をロールプレイングすることなどを通して、感謝表出スキルは高められるようです。

感謝表出スキルを高めてみよう

感謝表出スキルの実行は、自分の孤独感を低下させるだけでなく、相手の協力を引き出す効果もあるとされています。

日々の感謝のなかで、感謝をどのように表現すればよいか、意識して実行し、記録することで感謝表出スキルを高めてみてはいかがでしょうか?

(筆者:丸山・菅原)

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参考文献

  • 酒井智弘, & 相川充. (2020). 感謝表出スキルの実行が孤独感の低減に及ぼす効果. 教育心理学研究, 68(2), 111-121.

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