職場における感謝の効果 -感謝による空気の改善
今回は、2020年11月にハーバード・ビジネス・レビューというアメリカの経営学誌に掲載されたアメリカの研究結果を紹介します。
感謝による空気の改善
ちょっとギクシャクとした雰囲気のある職場での話です。
アメリカの研究チームは、職場で働く従業員を2チームに分け、とある検証を行いました。
1チームはいつも通りの作業日報だけを書くチーム、もう1チームは作業日報に+αで職場での感謝の気持ちも追加でつづるようにしたチームです。
それぞれに日誌を書くことを10日間続けたところ、感謝を含む日報を記載したチームの方が、自分の感情をコントロールする気持ちが高まり、職場での悪口や悪意のある噂話、攻撃的な言動が減る効果があったそうです。
つまり、ギクシャクした雰囲気のある職場においても、仕事上の感謝を意識して考え言葉にすることで、相乗的に嫌な空気を和らげる効果があったといえます。
感謝のための土台づくり
ただこれには、並行してお互いに感謝し続けられる土台づくり(環境づくり)も必要な要素であるようです。
ポイントは3つ:
リーダー(上司)が率先して、各従業員に誠実で個人的な感謝を表すること
「みんなに感謝」というような不特定多数へ公に言うのではなく、感謝専用の「時間と空間」を設けて曖昧な感謝をなくすこと
仕事の成果物の受益者と従業員を会わせる機会を設け、自分たちの仕事が意義のあることだと実感してもらうこと
このような土台づくりも並行して必要になります。
みなさんの職場ではこのような土台・環境はできているでしょうか?
もし職場の人間関係に課題を感じているのであれば、お互いが感謝しやすい土台づくりも意識してみるとよいかもしれません。
(筆者:菅原)