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【調査】日本人の寛容さ

2024年3月20日に、World Happiness Report 2024が公開されました(Helliwell, et al., 2024)。

今回のレポートでは、日本の幸福度ランキングは51位で、スコアは5.910ポイントでした。これは、2021年の56位(5.940)、2022年の54位(6.039)、2023年の47位(6.129)と比較すると、ここ数年では、幸福度スコアが最も低い結果です。スコアに比べると、ランキングはあまり落ちていません。

さて、日本の幸福度ランキングが低い原因として、よく「寛容さ」があげられています。World Happiness Report 2024において、寛容さスコアとされるGenerosityの日本のスコアは、129カ国中122位で、確かに最低クラスです。しかし、日本人の実感としては、世界最低レベルで不寛容だとは感じられないのではないでしょうか?

そこで、今回は、World Happiness Report 2024を参考にしつつ、「寛容さ」について調査してみようと思います。

なお、World Happiness Report 2023については、以下の記事で詳しく考察しています。World Happiness Report の解説もありますので、よろしければご覧ください。


経済的豊かさと幸福の限界

最近、逝去されたダニエル・カーネマンは、経済的豊かさを追求しても、ある収入を超えると幸福度は向上しなくなることを提唱しました(Kahnemann, Deaton, 2010)。

この関係性は、World Happiness Reportの人生満足度と一人当たりGDPの間にも見られ、以前、私たちはWorld Happiness Report 2022の結果を用いて、経済的豊かさと幸福の関係を図示しました。

参考
「ポスト・ウェルビーイング調査の結果-善心の循環と連鎖-」
 https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/rd/topics/topics_39.html

以前は、World Happiness Report の2011年と2021年のデータを用いましたが、今回は2023年のデータで同様の図を作成してみました(図1)。

図 1 経済的豊かさと幸福の関係、WHR2024のデータを用いて筆者作成

結果は、2022年版の場合と同じように、一人当たりGDPが7万万ドル付近を頂点とした近似曲線が描け、7万ドル以上では人生満足度は経済的な豊かさに比例しないというものでした。

一人当たりGDPが、6万ドルの付近で北欧諸国が、2万ドルの付近で中南米諸国が、近似曲線よりも上に位置しています。これは、これらの国々は、国際平均と比べると、経済的豊かさのわりには多くの幸せを感じていることを示しています。そのため、これらの国々には、経済的豊かさとは異なる幸せの要因があると推測されます。直感的には、北欧諸国では手厚い社会保障による安心さが、中南米諸国ではポジティブな風土による楽観さが、その要因となっているように思われます。

図1で、日本は近似曲線よりも下に位置しており、国際的な標準値に比べると、経済的豊かさのわりには幸せを感じていないことが分かります。日本は、イタリアや韓国との位置が近く、集団を形成しているように見えます。

実は、イタリアと日本は、Gallup社の従業員エンゲージメント調査(下記参照)でも同じような傾向(従業員エンゲージメントが5%)を示しています。このことから、日本とイタリアは、よく似た特性をもっているのかもしれません。


日本は寛容さが低いのか

古代の日本が仏教を受け入れ、神道と融合させていた例を考えても、日本人の異文化に関する寛容さは決して低くなく、むしろ高いように思われます。

しかし、World Happiness Reportで用いられるgenerosityスコアでは、日本は最下位クラスに位置しています。実際、generosityを、一人当たりの対数GDPでプロットすると、図2のようになります。

図 2 経済的豊かさとGenerosityの関係、World Happiness Report 2024のデータより筆者作成

Generosityスコアは、「過去1か月以内に慈善団体に寄付しましたか?」という質問に対する回答の全国平均を、一人当たりGDPの対数で回帰した残差(すなわち、実測値から回帰直線による予測値を引いた値)でスコア化されています。

すなわち、generosityスコアは、一人当たり対数GDPを変数とした寄付の予測値と実測値の近さを表していることになります。

「Generosity=実測値-予測値」なので、Generosity>0は、その国の経済規模よりも寄付が多いことを表します。逆に、Generosity<0は、その国の経済規模に比べて寄付が少ないことを表しています。

図2によれば、日本はGenerosity<0領域に位置し、国際的には経済規模に比べて寄付が少ないことが確認できます。

しかし、図2のような残差分析で重要なのは、実は、分布から大きく離れた外れ値の存在です。計算の上では、外れ値は回帰計算の結果を大きくずらしてしまうので問題になります。一方、解釈の上では、外れ値を示す国は、国際的な水準から大きく外れており、公平性の観点で問題になります。

外れ値の観点で図2を見てみると、日本は分布の端に位置するものの、決して外れ値になっているとは言えません。つまり、日本は、経済規模に比べて寄付が少ないことは少ないですが、国際的に大きく外れているわけではなく、国家の多様性の範囲内と言えるのではないでしょうか。

Generosityは寄付行動の多寡を表しており、このデータをもって「日本人は寛容ではない」と言及するのは、論理的な飛躍があります。

これは、Generosityを「寛容さ」と翻訳することで、ニュアンスが変わってしまったことが原因だと考えられます。

ちなみに、2023年度のGenerosityと人生満足度の相関係数は、r=0.05 ほどしかなく、統計学上ではGenerosityは人生満足度には影響していないようでした。

Generosityは寛容さではない

ケンブリッジ辞書によれば、「generosity」は「気前の良さ」と翻訳するのが適切なようです。「generosity」を、「寛大さ」や「寛容さ」と翻訳することもあるものの、ニュアンスまでも一致する翻訳としては、「気前の良さ」が最も合っているのかもしれません。

それでは、「気前の良さ」と「寛大さ」と「寛容さ」は、いったい何が異なるのでしょうか?

2024年現在、このような言葉の意味の違いは、ChatGPTのような大規模言語モデルに説明してもらうのが簡単です。そこで、実際に『「気前の良さ」と「寛大さ」と「寛容さ」の違いは?説明に「寛大さ」と「寛容さ」を使わないで』というプロンプトをChatGPTに入力してみました。回答結果は、次の通りです。

1.      気前の良さ:
これは、物質的な贈り物や支出において、他人に対して惜しみなく与える態度を指します。気前の良い人は、おごったり贈り物をしたりする際に、金銭的な負担を気にせずに寛大な姿勢を示します。彼らは、金銭的な支出を通じて他人に対する思いやりを表現します。

2.      寛大さ:
これは、心の広さや優しさ、理解力を示す態度を指します。寛大な人は、他人の過ちや欠点を見逃し、厳しく責めないことができます。彼らは、他人に対して理解と思いやりを示し、過ちや欠点を受け入れることができます。

3.      寛容さ:
これは、異なる考え方や行動を受け入れる心の広さを指します。寛容な人は、自分と異なる価値観や意見を持つ人々に対して理解を示し、尊重します。彼らは、他人の多様性を認め、対立や偏見を避けることができます。

要するに、「気前の良さ」は物質的な寛大さ、「寛大さ」は心の広さや優しさ、「寛容さ」は異なる意見や行動を受け入れる心の広さを示します。

ChatGPT v3.5 2024/03/29に生成

すなわち、寄付のような金銭的な支出は、3つの表現の中では「気前の良さ」に該当します。したがって、「過去1か月以内に慈善団体に寄付したかどうか」(generosity)という変数には、「寛容さ」よりも「気前の良さ」という翻訳が妥当性が高いです。ただし、日本であれば、友人や部下にご飯を奢ることも「気前の良さ」と表現されるため、「気前の良さ」が慈善団体への寄付のみを表しているわけではありません。

一方、「寛大さ」や「寛容さ」は物質的ではない心の広さを示し、「寛大さ」は他人の過ちを厳しく咎めないさまを、「寛容さ」は異なる価値観や意見を受け入れるさまを表します。しかし、慈善団体への寄付は控除対象なので、節税という自己利益のために行われる可能性があります。自己利益が目的の場合、「寄付したかどうか」は、「寛大さ」や「寛容さ」とは正反対の態度であり、「寛容さ」を測定しているとは言えません。

したがって、World Happiness ReportにおけるGenerosityは、少なくとも「寛容さ」ではありません。

気前の良さの研究

Generosity(「気前の良さ」)の心理学研究は少ないものの、次のようなものがありました。

  • 実際の匿名性に違いはないにも関わらず、観察者の存在を視覚的情報として与えられた被験者は、気前の良さ(=相手に渡す金額)を大幅に増加させた(Harly, Fessler, 2005)

  • オキシトシンを服用していた群は、プラセボ群よりも80%気前が良かった(=見知らぬ人との割り勘した)(Zak, et al., 2007)。オキシトシンは共感の生理学的サインであり、共感が気前の良さを媒介する(Barraza, Zak, 2009)

  • 社会経済的地位において、下位階級の人々は上流階級の人々よりも、気前が良く、慈善的で、信頼があり、親切であった(Piff, et al., 2010)。畏敬の念を誘発すると、倫理的意思決定、気前の良さ、および向社会的価値観が増加した(Piff, et al., 2015)。

  • 時々、相手が協力的でない行動をする場合、気前の良さは信頼を伝えるという重要な目的を果たす(Klapwijk, Van Lnage, 2009)

多くは、「気前の良さ」を経済的な施しとして実験的に研究されており、①信頼や向社会的行動を促進すること、②弱者が強者に敵対されないための生存戦略であること、などが分かっているようです。しかし、全体的に研究が少なく、文化的な影響や個人の志向性の違いなど、まだまだ判明していない要因がありそうです。

<参考>
オキシトシンについては、こちらの記事でも研究をご紹介しています。

寛容性の研究

一方、「寛容さ」は、日本では、長内ら(2006)が開発した日本語版寛容性尺度を使った研究が行われています。日本語版寛容性尺度は、もともとHeartland Forgiveness Scale (HFS, Thompson, et al., 2005)の翻訳版として作成されおり、つまり「寛容さ」は「許し(forgiveness)」の意味で研究が行われています。

そこで、forgivenessの研究を集め、他国に比べて日本の寛容性が低いのかどうかを確かめることにしました。

<参考>
「許し」やHFSについては、下記の記事でも触れています。

調査方法

まず、HFSの内容を確認します。

HFSは、「自己への許し」「他者への許し」「状況への許し」の3次元で構成される多次元尺度で、各次元6項目ずつ計18項目で構成されています(図3)。ただし、日本語版寛容性尺度は、信頼性と妥当性の検証の結果、「自己への許し」と「状況への許し」が融合した2次元尺度で、計14項目の尺度になっています。

図 3 Heartland Forgiveness Scale (Thompson, et al., 2005)を、機械翻訳したもの

一般的な「異なる考え方や行動を受け入れる心の広さ」という意味における「寛容さ」は、人間関係を前提としているので、「他者への許し」が相当していると言えるでしょう。しかし、HFSからは、寛容には、自己への寛容さや状況への寛容さも考えられることが分かります。

好運なことに、このHFSは、多くの言語に翻訳され、多くの国々で測定されているため、測定結果を国際比較することができます。念のため、HFSの国際比較を実施した論文を探しましたが、筆者が探した限り見つかりませんでした。そこで、個別に論文を収集し、自ら比較することにしました。

調査結果

図4は、HFSの3因子に関する平均値を比較したものです。

図 4. Heartland Forgiveness Scaleの各国の結果。筆者作成。

ただし、日本の結果は日本版寛容性尺度(長内ら, 2006)の項目平均値を因子毎に平均化した値、トルコ(Bugay, Demir, 2010)・インド(Soni, 2016)・パキスタン(Hermaen, Bhutto, 2020)の結果は論文に記載された因子平均値、イタリア(Consoli, et al., 2020)・ポルトガル(Ikedo, et al., 2020)はHFSの項目平均値を因子毎に平均化した値、4件法で測定されたヨルダン(ALanati, Alorani, 2020)の結果は項目平均値を7/4倍して因子毎に平均化した値を使用しています。

また、調査対象は全年代の場合もあれば、学生のみの場合もあり、単純な比較が必ずしも正確ではないことには注意が必要です。

これを踏まえた上で、図4の「他者への許し」は、西洋文化圏であるポルトガル・カナダ(Karseboom, 2016)で高く、中央アジアのインド・パキスタンが続き、次に地中海に面したトルコ・イタリア・ヨルダン、最も低いのが日本という結果でした。しかしながら、トルコとイタリアと日本は、ほとんど同じ程度のスコアと考えてもよさそうです。特に、イタリアと日本は、経済的豊かさと幸福度(図1)でも非常に近い位置にあり、文化や民族的な精神性がよく似ているのかもしれません。

また、図4によれば、日本の寛容さは比較対象国よりは低いものの、そのスコアは4.0(=どちらともいえない)付近であり、特に不寛容というわけではありません。日本の寛容性は、トルコやイタリアと同じような傾向なので、国際的にも日本の寛容性が特に低いわけではなさそうです。したがって、寛容性でも、日本の結果は各国の多様性の範囲内と考えられるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、World Happiness Report 2024のデータ再分析を行いつつ、日本の課題として取り上げられる「寛容さ」について、調査を行いました。その結果は、次のようにまとめられるでしょう。

  • World Happiness Report 2024において、日本のGenerosityは特に低いわけではない

  • Generosityは、経済的・物質的な寛大さを表し、日本語では「気前の良さ」に相当する。

  • 寛容性(Forgiveness)の研究を比較すると、日本の寛容性は低いが、不寛容というほどではない

World Happiness ReportのGenerosityは「直近1カ月で慈善団体へ寄付したか」で測定されているため、寄付が文化として根付いていない日本では「寛容さを正しく測定できない」と言われてきました。しかし、これはGenerosityを「寛容さ」と翻訳することによる語弊で、実際には(惜しみなく金銭を与えられる)「気前の良さ」と言った方が、より近い意味になります。

また、World Happiness Reportの結果から、「日本は寛容さが低い」という言説が語られることがあります。しかし、許しの研究によれば、日本の寛容性はトルコやイタリアと同程度で、国際的には特に低いわけではなさそうです。もちろん、「許し=寛容さ」の妥当性については、議論のあるところでしょう。もしかすると、日本人独自の「寛容性尺度」が必要なのかもしれません。

以上から、本調査を踏まえると、無暗に日本の寛容さを卑下する必要はないと考えますが、いかがでしょうか?

執筆:山本

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参考文献

  1.  Helliwell, J. F., Layard, R., Sachs, J. D., De Neve, J.-E., Aknin, L. B., & Wang, S. (Eds.). (2024). World Happiness Report 2024. University of Oxford: Wellbeing Research Centre.
    https://worldhappiness.report/ed/2024/

  2. Kahneman, D., & Deaton, A. (2010). High income improves evaluation of life but not emotional well-being. Proceedings of the national academy of sciences, 107(38), 16489-16493.
    https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1011492107

  3. Haley, K. J., & Fessler, D. M. (2005). Nobody's watching?: Subtle cues affect generosity in an anonymous economic game. Evolution and Human behavior, 26(3), 245-256.
    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1090513805000036

  4. Zak, P. J., Stanton, A. A., & Ahmadi, S. (2007). Oxytocin increases generosity in humans. PloS one, 2(11), e1128.
    https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0001128

  5. Barraza, J. A., & Zak, P. J. (2009). Empathy toward strangers triggers oxytocin release and subsequent generosity. Annals of the New York Academy of Sciences, 1167(1), 182-189.
    https://nyaspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1749-6632.2009.04504.x

  6. Piff, P. K., Kraus, M. W., Côté, S., Cheng, B. H., & Keltner, D. (2010). Having less, giving more: the influence of social class on prosocial behavior. Journal of personality and social psychology, 99(5), 771.
    https://psycnet.apa.org/journals/psp/99/5/771/

  7. Piff, P. K., Dietze, P., Feinberg, M., Stancato, D. M., & Keltner, D. (2015). Awe, the small self, and prosocial behavior. Journal of personality and social psychology, 108(6), 883.
    https://psycnet.apa.org/journals/psp/108/6/883/

  8. Klapwijk, A., & Van Lange, P. A. (2009). Promoting cooperation and trust in" noisy" situations: the power of generosity. Journal of Personality and Social Psychology, 96(1), 83.
    https://psycnet.apa.org/journals/psp/96/1/83/

  9. Yamhure Thompson, L., Snyder, C. R., & Hoffman, L. (2005). Heartland Forgiveness Scale. Faculty Publications, Department of Psychology, 452.
    https://digitalcommons.unl.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1451&context=psychfacpub

  10. 長内綾, オサナイアヤ, 古川真人, & フルカワマサト. (2006). 日本語版 Heartland Forgiveness Scale の開発. 昭和女子大学生活心理研究所紀要, 8, 51-57
    https://swu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=516&item_no=1&page_id=30&block_id=97

  11. Bugay, A., & Demir, A. (2010). A Turkish version of heartland forgiveness scale. Procedia-Social and Behavioral Sciences, 5, 1927-1931.
    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877042810017647

  12. Soni, P. (2016). A study on the relationship between resilience and forgiveness. Indian Journal of Mental Health, 3(1), 57-61.
    http://indianmentalhealth.com/pdf/2016/vol3-issue1/Original_Research_Article_8.pdf

  13. Hermaen, H., & Bhutto, Z. H. (2020). Gratitude and forgiveness as predictors of subjective well-being among young adults in Pakistan. Pakistan Journal of Psychological Research, 35(4), 725-738.
    https://www.academia.edu/download/81637813/549.pdf

  14. Consoli, S., Rossi, A., Thompson, L. Y., Volpi, C., Mannarini, S., Castelnuovo, G., & Molinari, E. (2020). Assessing psychometric properties of the italian version of the heartland forgiveness scale. Frontiers in Psychology, 11, 596501.
    https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2020.596501

  15. Ikedo, F., Castro, L., Fraguas, S., Rego, F., & Nunes, R. (2020). Cross-cultural adaptation and validation of the European Portuguese version of the heartland forgiveness scale. Health and quality of life outcomes, 18, 1-9.
    https://link.springer.com/article/10.1186/s12955-020-01531-9

  16. ALanati, J. M., & ALorani, O. I. (2020). Assess Forgiveness of Syrian Refugee's Students in Jordan and Its Relation to Some Variables.
    https://core.ac.uk/download/pdf/304991567.pdf

  17. Karseboom, S. (2016). Relationship between meaning in life and dispositional forgiveness.
    https://scholarworks.waldenu.edu/dissertations/2362/

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