NECソリューションイノベータ株式会社
ウェルビーイングに関連した研究の研究者による解説記事を集めています。ウェルビーイングをもう少し詳しく知りたい人に向けて、毎週金曜日に更新・追加していきます。
感謝の研究に関する記事をまとめています。記事は、スマホアプリNEC Thanks Cardに掲載した内容を修正して転載したものです。
はじめに本記事のテーマは「感謝」です。 “感謝”という言葉を辞書で調べると、「ありがたいと思う気持ちを表すこと。また、その気持ち。」と書かれています。つまり、感謝とは、「ありがとう」という言葉だけを示すのではなく、何らかに対して「ありがたい」と感じる気持ちも含まれています。 そんな感謝は私たちにどんな効果をもたらすのか、ポジティブ心理学の観点での基礎知識や、近年の論文からご紹介していきます。 感謝の研究ご紹介近年注目をあつめる“感謝” 先ほど辞書的な意味での感謝をご紹
みなさんは、大海原に沈む夕日を眺めたとき、満天に輝く星空を見上げたとき、博物館で巨大な恐竜の化石を目の前にしたとき、歴史が刻まれた寺社仏閣や教会を訪れたとき、新しい生命の誕生の瞬間に立ち会ったとき、どのような感情が湧いてくるでしょうか? このような自然や宇宙、生命、芸術、建築など、広大で崇高な存在に対して、驚嘆し感銘を受ける感情は「畏敬の念 (Awe)」と呼ばれています。 近年、この畏敬の念に焦点を当てた研究は増加傾向にあります。そして、畏敬の念が、私たちの心理状態や行動
「ウェルビーイングの定義」の説明として必ずと言っていいほど引用されるのが、世界保健機構(WHO)の世界保健機構憲章前文の「健康の定義」でしょう。皆さんも、一度は目にしたことがあるかもしれません。 しかし、1998年に、この「健康の定義」の改正が発議されたことは、あまり知られていないかもしれません。その時の改正案は、次のようなものでした。 つまり、「dynamic」と「spiritual」という単語を組み入れようとしました。 1999年、第52回WHO総会で、改正案の討議