NECソリューションイノベータ株式会社

NECソリューションイノベータは、NECグループの社会価値創造をICT(情報通信技術)…

NECソリューションイノベータ株式会社

NECソリューションイノベータは、NECグループの社会価値創造をICT(情報通信技術)で担う国内最大規模のシステム・インテグレータです。研究開発部門が組織のウェルビーイングについて研究結果や最新トレンドを発信します。 問い合わせ note_necsi@nes.jp.nec.com

マガジン

  • ウェルビーイング研究

    ウェルビーイングに関連した研究の研究者による解説記事を集めています。ウェルビーイングをもう少し詳しく知りたい人に向けて、毎週金曜日に更新・追加していきます。

  • 感謝研究

    感謝の研究に関する記事をまとめています。記事は、スマホアプリNEC Thanks Cardに掲載した内容を修正して転載したものです。

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ウェルビーイング研究

ウェルビーイングに関連した研究の研究者による解説記事を集めています。ウェルビーイングをもう少し詳しく知りたい人に向けて、毎週金曜日に更新・追加していきます。

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【基礎知識】VIAの強みとウェルビーイングの関係

以前の記事で、職場へのポジティブ心理学介入をご紹介しました。その中で、「強み」に基づいたストレングス介入があることを簡単に説明しました。そして、有名な強みの測定方法には、VIA (Value In Action) と Clifton’s Strengthsがあることもご紹介しました。 今回は、VIAに基づくストレングス介入の原点となった研究を2つほどご紹介したいと思います。 VIAは、VIA Institute on Characterにアカウントを作成すると無料で測定す

睡眠とウェルビーイング | 睡眠は身体的・精神的・社会的にウェルビーイングと関連する

現代社会において、私たちは仕事や責任、娯楽などに追われ、睡眠は犠牲にされがちな要素の一つと言えるでしょう。実際、厚生労働省によると1976年から2011年までの縦断的な調査から、日本人の睡眠時間は減少傾向にあります。 ほとんどの人にとって睡眠は1日の20%から40%を占める重要な要素と言えます。睡眠は、疲労回復はもちろんのこと、認知機能、身体的機能、メンタルヘルス、幸福感など、多岐にわたる生理的・心理的機能に関与するとされます。 私たちのウェルビーイングのさまざまな面にお

「共感」とウェルビーイング

はじめに今回は、ウェルビーイングの要素のひとつである「共感」についてご紹介します。 これまでの記事で、ウェルビーイングの構成要素がどのように捉えられているか、もしくは個別の要素はどのような概念であり、どのような研究がされているのか、といったことをご紹介してきました。 まずは、ウェルビーイングの構成要素についておさらいしてから、共感の位置付けや概念の解説をしていこうと思います。 ウェルビーイングの構成要素としての共感今回ご紹介するウェルビーイングは幸福としてのウェルビーイング

【基礎知識】エンゲージメントとウェルビーイングの関係|エンゲージメントの調整効果・媒介効果・決定要因

Gallup社の「State of the Global Workplace Report 2024」によると、日本の従業員エンゲージメントのスコアは6%で、香港とならび141カ国中で最下位でした。2017年以降、日本の従業員エンゲージメントは常に5~6%であり、日本の企業では従業員エンゲージメントの向上が重要な課題の一つとなっています。 一方、ウェルビーイングとエンゲージメントは関連した概念だと考えられます。例えば、PERMAやSPIREといったポジティブ心理学のウェルビ

感謝研究

感謝の研究に関する記事をまとめています。記事は、スマホアプリNEC Thanks Cardに掲載した内容を修正して転載したものです。

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【論文紹介】ノスタルジーを感じてウェルビーイングに -感謝感情による媒介効果

みなさんは日常のふとした瞬間に、過去のことを思い出して懐かしさを覚えたり、心が温かくなるような経験をしたことはありますか? 今回は、そんな「ノスタルジー」を感じることと、感謝やウェルビーイング(幸福感)との関係を調べた研究についてご紹介します。 ノスタルジーの効果ノスタルジーとは、過去の出来事や人々について思い出したり、過去の自分について思い出すこと通して、懐かしさや切なさを感じることを意味します。ノスタルジーは結婚や誕生日、同窓会などの社会的なイベントをきっかけに感じる

【論文紹介】感謝と負債感と向社会行動 -神への感謝と人への感謝

感謝をすることには向社会行動(=社会のためになる行動)を促進する効果があると、心理学研究では言われています。 しかし、なぜ感謝をすることが社会のための行動につながるのか、明確な理由は明らかになっていません。Nelson et al. (2023) では、「感謝」と「負債感(恩義)」をきちんと分けて考えることで、向社会行動への効果を明らかにしようとしています。 「感謝」と「負債感(恩義)」これまでの感謝に関する研究の多くでは、「感謝」と「負債感(恩義)」はきちんと区別されて

【論文紹介】感謝は脅威を弱め、挑戦心を高める -生理学的反応から見る感謝の効果

あなたは難しいタスクをしなければならないとき、「やってやろう!」と挑戦心に燃えるか、「失敗したらどうしよう…」と恐怖や脅威を感じてしまうか、どちらが多いでしょうか? どうせならば、挑戦心をもって取り組めると、気持ちも結果も良い方向に向かいそうですね。 今回は、そんな精神的にストレスのかかるタスクを行うときに、感謝にはどのような効果があるのか、生理学的な分析から検証した研究をご紹介しようと思います。 血圧のパターンから、挑戦意識と脅威意識を評価できるまずこの研究の背景に、

【論文紹介】エピソードを記録してウェルビーイングに -エピソード記録が、欲求充足・感謝・セルフコンパッションに繋がる

近年、国内外で非常に注目されるウェルビーイングですが、WHOでは「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた(well-being)状態にあること」と言及されています。 なかでも、精神的なウェルビーイングは「幸福」や「充実」などと捉えられており、ポジティブ心理学を中心にウェルビーイング高める方法の研究がされています。 本記事では、エピソードを記録することを通して、ウェルビーイングの向上にアプロー