NECソリューションイノベータ株式会社
ウェルビーイングに関連した研究の研究者による解説記事を集めています。ウェルビーイングをもう少し詳しく知りたい人に向けて、毎週金曜日に更新・追加していきます。
感謝の研究に関する記事をまとめています。記事は、スマホアプリNEC Thanks Cardに掲載した内容を修正して転載したものです。
感謝は、私たちの健康に良い影響を与えることが、様々な研究から示されています。 今回は、そんな中から「感謝と睡眠」に関する研究についてご紹介します。 心理学では、個人のパーソナリティ特性が睡眠の質に影響することが明らかにされていました。たとえば、神経症傾向は睡眠の質に対する負の予測因子になっており、ストレス、抑うつ、不安、怒りが睡眠の質を低下させることが報告されています。 では、感謝が睡眠に与える影響はあるのでしょうか? ポジティブ心理学では、感謝は主要なポジティブ感情
今回は、2020年11月にハーバード・ビジネス・レビューというアメリカの経営学誌に掲載されたアメリカの研究結果を紹介します。 感謝による空気の改善ちょっとギクシャクとした雰囲気のある職場での話です。 アメリカの研究チームは、職場で働く従業員を2チームに分け、とある検証を行いました。 1チームはいつも通りの作業日報だけを書くチーム、もう1チームは作業日報に+αで職場での感謝の気持ちも追加でつづるようにしたチームです。 それぞれに日誌を書くことを10日間続けたところ、感謝
昨今、企業ではIT技術の急激な成長や労働力不足などの観点から、従業員のリスキリング(学びなおし)が注目されています。 学生や会社員に限らず、人生を通して学習・成長することの重要性が提唱されていますが、学習をするうえで大切な観点のひとつとして「学習モチベーション」が挙げられるでしょう。 学習意欲が低い状態で学習に取り組むよりも、高いモチベーションをもって取り組んだ方が良い学習効果が得られることが示されています。 今回は、この学習モチベーションを高める方法の一つとして、感謝
以下の3つの中で、皆さんのモチベーションの原動力になるとしたら、どれが一番響きそうですか? 金銭(給料UPや一時金) 物品(景品) 個別の感謝、仲間内からの評価 燃え尽き症候群には非金銭的報酬をイギリスの研究チームによると、COVID-19流行下において、特に医療や介護・福祉、教育といった公共領域で働く人たちのバーンアウト(燃え尽き症候群)が増加する一方、そんな彼らのモチベーションを維持し高めるのは、どうやら金銭的報酬ではないというのです。 では、彼らを突き動かすそ
近年、感謝についての研究が国内外で注目を集めています。 感謝研究の中では、感謝にはどのような種類があり、どのような構造になっているか研究されています。今回は、「感謝の構造」について紹介したいと思います。 感謝を感じる5つの状況感謝の構造について体系的にまとめた研究では、私たちが感謝を感じる状況には以下の5つの種類があるとしています。 1.被援助 個人が困っているときに他者から助けられる 例)業務で悩んでいるとき、上司が相談にのってくれた / 資料を床に落としてしまったと
人生の転機の話を聞くと、「大病を患い、死の危機に瀕した後、そこから回復したときに人生観が変わった」という人たちがいます。例えば、ある人は、今では謙虚で優しいですが、「昔は、威圧的だった」と言い、性格が180度変わってしまったそうです。このような体験をした人たちは、「今では、人生観が変わるほどの体験ができたことに感謝している」という発言をよくします。このように苦痛に満ちたネガティブな出来事を、ポジティブに自己統合する感謝のことを、実存的感謝と言うそうです。 今回は、実存的感謝